感染者が21万人を超えたアメリカでは、急増する患者に直面する東部ニューヨーク州で、医療現場の対策が追いつかずに医療崩壊が起きる懸念が強まっています。さらにフロリダ州など、複数の州でも患者が急増していて、各地で同時多発的に同様の事態が起きることへの危機感も高まっている。

世界的な感染状況を集計しているアメリカ、ジョンズ・ホプキンス大学のまとめによりますと、全米の感染者は21万人、亡くなった人は5000人を超えている。

感染者の最も多い東部ニューヨーク州では、クオモ知事が1日の記者会見で「4月の終わりごろに感染が最も広がっているという予測もある」と述べて、感染は今後1か月間さらに拡大し続けるという見通しを明らかにした。

ニューヨークとその周辺では、患者の数がすでに10万人を超える一方、病床や人工呼吸器、医師と看護師、さらに医療従事者が感染防止に着用するマスクの不足が続いている。

現地では医療の現場で受け入れ態勢の拡充を急いでいますが、増え続ける患者に医療機関の対応能力が追いつかずに、医療崩壊が起きる懸念が強まっている。

さらに、ほかの州でも患者は増え続けていて、中でもここ最近、南部フロリダ、ルイジアナ、中西部のミシガンの3州で急激に患者が増え、フロリダ州は1日、全域で外出を制限する命令を出した。

フロリダは観光シーズンのさなかで、トランプ大統領に近い知事が、経済への影響を懸念して命令を出してきませんでしたが、この結果、海岸や繁華街に人が集まり感染を広げているという批判も出ていた。

またルイジアナでは、すでに外出は制限されていますが、州内に多いキリスト教福音派の一部の教会が、大勢の信者を集めた礼拝を続けていることが問題になっていて、各地で人と人との接触を避ける対策が十分行き届いていないおそれもあります。

トランプ大統領は1日、感染者の多い「ホットスポット」を結ぶ航空便の制限も検討しているとして対応を急いでいますが、このままのペースで患者の増加が続けば、全米の各地で同時多発的に医療崩壊が起きる可能性もあり、危機感が高まっている。

各州の感染者数と増加率

アメリカのジョンズ・ホプキンス大学の集計によりますと、全米の感染者は日本時間の午後5時現在、21万6722人、亡くなった人は5137人となっている。

州ごとの感染者の数は多い順に、
▽東部、ニューヨークが8万4046人、
▽東部、ニュージャージーが2万2255人、
▽西部、カリフォルニアが9907人、
▽中西部、ミシガンが9315人、
▽南部、フロリダが7773人、
▽東部、マサチューセッツが7738人、
▽中西部、イリノイが6980人、
▽南部、ルイジアナが6424人、
▽東部、ペンシルベニアが6063人、
▽西部、ワシントンが5984人となっている。

また、全米の感染者の数を報道機関や研究者らを中心に独自に集計している「コービッド・トラッキング・プロジェクト」によりますと、フロリダでの感染者は3月25日の時点では1682人でしたが、4月1日には6955人に増え、1週間で4.1倍に増加した。

またミシガンでは3月25日は2294人でしたが、4月1日には9334人に増えて、同じく1週間で4.1倍に増加した。

ルイジアナでは3月25日には1795人でしたが、4月1日には6424人に増え、1週間で3.6倍に増加した。

ルイジアナ州 急激に患者や死亡者増加

ルイジアナ州 急激に患者や死亡者増加
南部ルイジアナ州では、先月9日に最初の感染者が報告されて以来、3週間余りの間に感染者は6400人余りに上り、死者は270人以上となっている。

今月1日の、1日でおよそ1200人の患者と34人の死者が報告されるなど、全米でも急激に患者や死亡者が増加している州の1つで、患者のおよそ4分の1に当たるおよそ1500人が入院しているため、患者の集中している大都市ニューオーリンズの医療機関では、人工呼吸器が不足する事態になっていて致死率は4%と、高い数字になっている。

エドワーズ知事は当初、今月13日までだった外出禁止の命令を30日まで延長し、感染の拡大の抑制をはかるとともに連邦政府に対し、人工呼吸器などの支援を求めている。

菅官房長官「米国の状況注視 緊密に連携」

菅官房長官は午後の記者会見で、アメリカのトランプ政権が、新型コロナウイルスによる国内の死者が、最大で24万人にのぼるおそれがあるとしていることについて「試算結果は承知しており、同盟国として感染状況を注視している。これまでも首脳電話会談などを通じて、両国内の状況や感染拡大防止策について意見交換しており、今後も治療薬やワクチン開発を含めた協力と情報共有を行い、緊密に連携していく」と述べた。