新型コロナウイルスの世界全体の感染者の数が100万人を超えました。また、死亡した人も5万人を超えるなど、感染の拡大に歯止めがかからない状況が続いていて、各国の経済や政治日程に深刻な影響が出ている。

アメリカのジョンズ・ホプキンス大学のまとめによりますと、新型コロナウイルスの世界全体の感染者の数が100万人を超えました。また死亡した人も世界全体で5万人を超え、感染の拡大に歯止めがかからない状況が続いている。

経済への影響は深刻で、感染の拡大が続いているアメリカでは、議会が今月から6月までのGDP=国内総生産の成長率が年率換算でマイナス28%以上となり、四半期ベースの統計を取り始めた1947年以来、過去最悪になるという見通しを示した。

またアジア開発銀行は日本など一部の先進国を除いたアジア太平洋地域の最新の経済見通しについて、ことしの経済成長率は大きく減速し、去年より3ポイント低い、プラス2.2%にとどまるという予測をまとめた。

ことし秋のアメリカ大統領選挙にも大きな影を落としています。野党・民主党は大統領選挙に向けた候補者を正式に決める全国党大会を当初、7月13日に予定していましたが、これを8月17日の週に延期すると発表した。

アメリカでは感染予防のために、さまざまな取り組みが進められています。その一つがマスクをめぐるもので、これまではせきや発熱などの症状がある人にのみ勧められてきたマスクの着用について、ニューヨークの市長は2日、症状がなくても、外出時にはマスクを着けるよう市民に求めた。

背景には新型コロナウイルスの急速な感染拡大の原因の一つに、症状がない人からの感染が指摘されていることがありますが、医療従事者に必要な医療用のマスクが、入手しにくくなるという懸念もあがっている。

ニューヨーク イベント会場などを臨時の病院に

アメリカで最も感染者の多いニューヨーク州は、急増する患者に対応するため、医療機関の受け入れ能力の拡大といった対策を急いでいる。

ニューヨークでは現在、全体の病床数が5万3000床ですが、クオモ知事は今後、外出の制限が厳格に守られた場合でも、新型コロナウイルスの患者用のベッドの数が7万床、守られなかった場合では、11万床が必要になるという見通しを明らかにしている。

このためクオモ知事はすべての病院に対し、病床数を最低でも50%増やすよう求めていて、それでも足りない分を確保するため、ニューヨーク市のマンハッタンにあるイベント会場、「ジャビッツ・センター」を臨時の病院として改装し、2500人分の病床を整備したほか、ブルックリンにあるクルーズ船のターミナルに750人の病床を備えた施設の建設を進めている。

一方、人工呼吸器については現在、ニューヨーク州の医療機関に合わせて4000台が整備されていますが、州では、外出制限が守られた場合で2万5000台、最大では3万7000台が必要になると予測している。

このため連邦政府に4000台の提供を求め、さらに中国に1万7000台を発注したほか、ほかの州の病院や動物病院にも寄付を募って確保を急いでいる。

ニューヨーク州では2日現在、およそ9万2000人の感染者が確認され、1万3000人が入院、このうち3400人がICU=集中治療室で治療を受けている。

これまでにおよそ7000人が退院していますが、2300人が亡くなっている。

クオモ知事はワシントン大学の研究所の予測として、ニューヨーク州では7月まで患者数が多い状態が続き、最大で1万6000人が死亡するおそれがあるとしている。

さらに「ニューヨークで起きている問題は、次はカンザス州の、ニューメキシコ州の、テキサス州の問題になる」と訴えて、各州に備えを急ぐよう呼びかけている。

毎日午後7時に医療従事者に拍手

不要不急の外出が制限されているニューヨークでは、急増する患者の対処にあたる医師や看護師などの医療従事者に敬意を示そうと、毎日午後7時になると、大勢の人たちが自宅の窓を開けて拍手を送って感謝の思いを伝えている。

高層ビルが立ち並ぶマンハッタンでは、時間になると人々がアパートの窓を開けて拍手をしたり、鐘をならしたりする音が、街中に響き渡ります。

地上ではタクシーの運転手や自転車で食品の配達をする人なども、わずかの時間、仕事を中断して動きを止め、敬意を表していた。

またマンハッタンのシンボル、エンパイアステートビルは夜になると救急車の赤色灯のように赤くライトアップされ、最前線で新型コロナウイルスの脅威に立ち向かう人たちへの感謝の意を表現している。