特別措置法に基づいて緊急事態宣言が出されると私たちの生活はどうなるのでしょうか?

外出自粛 強制力ないけれど努力義務

外出自粛 強制力ないけれど努力義務
まずは外出についてです。

都道府県知事は住民に対して期間と地域を定めたうえで、不要不急の外出を自粛するよう要請できます。

ただし、
▽医療機関への通院、
▽食料の買い出し、
▽職場への通勤など
生活の維持に必要な場合は除くとされている。

外出の自粛はあくまでも「要請」で強制力はありませんが、国民は対策に協力する努力義務があります。

学校やイベントどうなる

学校やイベントどうなる
続いて、学校やイベントなどの制限についてです。

都道府県知事は感染拡大を防ぐために必要とされる場合は、学校の休校や施設の使用制限、イベントの開催自粛を要請できるようになります。

▽小中学校や高校、
▽保育所、
▽デイサービスなどの社会福祉施設については
規模にかかわらず対象となります。

このほか、
▽映画館・劇場、
▽集会場や展示場、
▽百貨店、スーパーマーケット、
▽ホテルや旅館、
▽体育館、プールなどの運動施設、
▽博物館や図書館、
▽ナイトクラブ、
▽自動車教習所や学習塾などについては
建物の床面積1000平方メートルを超える施設が対象です。

これに満たない施設でも特に必要と判断された場合は対象となります。

また、スーパーマーケットのうち食品、医薬品、衛生用品など生活必需品の売り場だけは営業を続けることができる。

「要請」に従わない施設などに対して、都道府県知事は「指示」を行えるようになります。

知事は指示を行った施設名をホームページなどに「公表」することになります。

この「公表」は罰則的な意味ではなく、施設が閉鎖していることを周知し生活の混乱を防ぐことが目的とされている。

ライフラインは止まらない

ライフラインは止まらない
ライフラインは緊急事態宣言が出されても止まることはありません。

電気、ガス、水道については、事業者に対して安定的に供給するための措置を実施することが求められている。

また、運送や電話・インターネット、それに郵便についても事業者が適切に実施するよう求められている。

鉄道やバスなどの公共交通機関についても法律に基づいて止めることは想定されておらず、むしろ逆に、総理大臣や知事が最低限は交通機関を動かすよう調整を行うことができるとされている。

公共交通 基本的に通常運行

公共交通 基本的に通常運行
鉄道やバスなど公共交通機関は、緊急事態宣言が出た場合でも基本的にはさらなる運休などは行わず、これまでどおりのダイヤで運行が行われる予定です。

国土交通省は先月、公共交通機関については緊急事態の際も必要な公共交通の機能を確保する事が基本だとする考え方を示している。

主な鉄道や路線バス、それに航空各社によりますと、緊急事態宣言が出た場合でも運行本数を減らしたり運休にしたりするなどの対応は行わず、いずれもこれまでどおりのダイヤで運行を続ける予定だとしている。

また、高速道路各社も通行制限などの特別な対応は予定していないということです。

一方、鉄道や路線バス、航空の各社によりますと、国から特別な要請を受けたり、利用者がさらに落ち込んだりした場合などは、これまで以上の減便や運休なども必要に応じて検討するとしている。

強制力ある措置や罰則は?

強制力ある措置や罰則は?
一方で、強制力がある措置もあります。

▽医療機関が不足した場合などは、臨時の医療施設を開設するために、都道府県は土地や建物を所有者の同意を得ずに使えるようになります。

また、
▽特に必要がある場合は業者に対して、医薬品や食料、それにマスクなどの衛生用品の売り渡しを要請できます。

要請に従わない場合は収用できるとされている。

さらに、次の2つの場合には、罰則が設けられている。

▽売り渡しを要請する物資について業者に保管するよう命じることができますが、業者がこれに従わず、隠したり破棄したりした場合、6か月以下の懲役か30万円以下の罰金が科される。

また、
▽臨時の医療施設開設のための土地使用や、医薬品や食料などの物資の保管場所に関して、都道府県などが行う立ち入り検査を拒否した場合も30万円以下の罰金が科される。

緊急事態宣言は強制力のある措置は限られ、海外のような「ロックダウン」=「都市封鎖」ではありませんが、多くの国民や企業が協力するのではないかとみられている。

厚生労働省は密閉・密集・密接の「3つの密」を避けることを改めて徹底してほしいと呼びかけている。

医療体制への影響は?

医療体制への影響は?
医療体制をめぐっては緊急事態宣言にかかわらず、重症の患者を優先して治療する方針になっています。新型コロナウイルスへの感染が確認されても軽症だった場合は宿泊施設や自宅で療養する体制に移行します。

重症患者を優先 軽症患者などは宿泊施設や自宅に

新型コロナウイルスの感染拡大に伴って、東京など感染者が急増している地域の医療機関は受け入れがひっ迫している。

このため厚生労働省は、重症の患者を優先して治療するため、軽症の患者や症状がみられない人については宿泊施設や自宅で療養してもらう体制に移行する方針です。

厚生労働省はその移行に向けたガイドラインをすでに示している。

それによりますと、軽症の患者でも重症化するリスクが高い人は対象には含めず、医療機関で受け入れます。

リスクが高いとされるのは
▽高齢者、
▽妊婦、
▽糖尿病や呼吸器疾患などの持病がある人、
▽抗がん剤などを用いて免疫を抑制している人です。

これに当てはまらない軽症患者などが宿泊施設や自宅で療養することになります。

宿泊施設での療養は

宿泊施設での療養については、受け入れ可能な人数にかぎりがあることから、次の人たちを優先することになっている。

▽高齢者などと同居する人、
▽医療や介護・福祉などの仕事をしている人と同居する人です。

高齢者などに感染させてしまうリスクの高い人たちを優先します。

宿泊施設は都道府県が用意します。

ホテルや公共施設などを1棟、または1フロア単位で確保し、食事の提供までを含めた人員を確保するとしている。

自宅での療養は

そのほかの軽症患者などは、自宅で療養することになります。

厚生労働省のガイドラインではその場合の注意点を示している。

まずは専用の個室を確保することが望ましいとしている。

できない場合は同居する人全員がマスクをつけて十分な換気を行うよう求めている。

さらに、
▽療養中の人と1メートル以上の距離を保つことや、
▽タオルやシーツ、食器などは同じものを使わないこと、
▽療養中の人の入浴は家族の最もあとにすること
なども求めている。