新型コロナウイルスの世界規模での感染拡大が深刻化する中、各国で小麦やコメなどの食料の輸出を制限する動きが広がっています。これについて、国連WFP=世界食糧計画のトップはインタビューで、輸出制限によって食料価格が高騰し、途上国を中心に食料危機を引き起こしかねないとして強い懸念を示した。

新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、世界有数の穀物生産国のインドやロシアなどは「国内の備蓄を増やすため」などとして、小麦やコメなどの輸出量を制限すると発表した。

こうした措置は、東南アジアや東ヨーロッパの国々にも広がっていて、食料をめぐる保護主義的な動きとして警戒が強まっている。

これについて、世界80か国で食料援助を行っているWFPのビーズリー事務局長は10日、インターネットを通じたインタビューに応じ「食料の生産国が輸出制限を行えば、世界の穀物価格を引きあげ、食料の輸入に頼る国々に重大な影響を及ぼすことを認識すべきだ」と述べ、生産国に輸出制限を行わないよう強く求めた。

そのうえで、食料の流通が滞り途上国を中心に栄養不足に陥る人が増えれば、より多くの人が新型コロナウイルスなどの感染症にかかりやすくなると指摘した。

そして、「流通網が寸断されたうえ、世界的な景気の後退でわれわれの支援活動にも十分な資金が集まらなければ、1日で15万人が死亡するおそれがある」と述べ、各国の指導者に協力を呼びかけた。