緊急事態宣言の中、賭けマージャンをしていた東京高等検察庁の黒川検事長が辞職した問題をめぐり、衆議院厚生労働委員会で、野党側が、黒川氏の定年を延長したことの責任を追及しました。これに対し、安倍総理大臣は定年延長自体に問題はなかったとしたうえで「責任は私にある」と述べた。

この中で、立憲民主党などの会派の小川淳也氏は「違法・違憲の疑いのある閣議決定まで強行して勤務延長したが、検察最高幹部が賭博、接待疑惑、さらに自粛要請を無視する不祥事で辞任するのは前代未聞だ。任命責任をどうとるのか」と追及した。

これに対し、安倍総理大臣は「黒川氏については、検察庁の業務遂行上の必要性に基づき、適正なプロセスを経ており勤務延長自体に問題はなかった。法務省、検察庁の人事案を最終的に内閣として認めたもので、その責任は私にあり批判は真摯(しんし)に受け止めたい」と述べた。

そのうえで、安倍総理大臣は「脱法的なものではないし、検事総長にするために勤務延長させたものでもない。すでに辞職を承認する閣議決定が行われた中で、勤務延長の閣議決定自体を撤回する必要はない」と述べた。

また、黒川氏を訓告の処分としたことについて「検事総長が事案の内容など諸般の事情を考慮して、適正に処分を行ったものと承知している」と述べた。

共産党の宮本徹氏は「進退伺を提出した森法務大臣を強く慰留したというが、森大臣のもとで信頼回復が図れるとは思わない」とただした。

これに対し、安倍総理大臣は「緊急事態宣言の中、お金をかけてマージャンを行った、賭博を行ったことが重大な問題であるのは事実だ。さまざまな批判も受け止めながら、森大臣には、しっかり検察庁、法務省の士気を高め、信頼を回復するために全力を尽くしてもらいたいと申し上げた」と述べた。

一方、検察官なども含めた国家公務員の定年を段階的に引き上げる法案について、安倍総理大臣は「元気なベテランに活躍の場を与えることは大事だが、民間に先駆けて一律に65歳に延ばすのは早急ではないのかといった批判に耳を傾けるべきだという意見が、与党・自民党の中でも強く出ている。もう一度、ここで考えて検討すべきではないか」と述べた。

そして、安倍総理大臣は、みずからの進退を問われたのに対し「新型コロナウイルス感染症の拡大を防止し、国民の健康と命、雇用と事業の継続、暮らしを守り抜く大きな責任がある。この責任を果たしていくことが、私に課せられた使命だ」と述べた。

一方「桜を見る会」の前日に開かれた懇親会をめぐり、全国の弁護士らから、政治資金規正法違反などの疑いがあるとして告発状を提出されたことについて、安倍総理大臣は「告発状の中身を承知していないので、コメントは差し控えたい」と述べた。

菅官房長官「定年延長可能とした法解釈変更は維持」

菅官房長官は午後の記者会見で、東京高等検察庁の黒川検事長の定年延長を可能とした法解釈の変更が維持されているかどうかについて「その法解釈の変更は、検察庁法を所管する法務省で適切に行ったものだと思っており、当然残っている」と述べた。

また、検察官なども含めた国家公務員の定年を段階的に引き上げる法案について「高齢期の職員の豊富な知識・経験を活用して、行政課題に対応していくため、国会に提出し、審議している。現在、新型コロナウイルスにより状況が違っているなどの意見もあるが、いずれにせよ法案審議の日程は国会でお決めいただく」と述べた。